お腹回りがぽっこりするのは中年太り？女性ホルモンとの関係について

中年太りとはなんとも嫌な言葉ですが、やはりそのくらいの年齢になってくると、お腹のあたりについたお肉がなかなか取れない状況を実感している人も多いのではないでしょうか。

女性特有の中年太りの特徴として、特にお腹回りが急にぽっこりしてくるという現象が多くなりますが、それには女性ホルモンが大きく関係しています。

女性の中年太りは女性ホルモンのせい？

中年太りの主な原因として、基礎代謝の低下があげられていますが、実は中高年の基礎代謝量は、10代から20代の頃に比べてもごはん1膳くらいしか落ちないそうです。

だとしたら他にはどんな原因があって、中年以降に太ってしまうのでしょうか。

中年太りというのは、白髪や老眼と同じように老化の一種といいますが、女性にはそれ以外の理由もあったのです。

エストロゲンと中年太りの関係

女性が中年太りをしたりお腹回りがぽっこりするのは、エストロゲンの働きが低下するからです。

エストロゲンは女性らしい美しさや心身の健康などに大きな働きをしてくれる女性ホルモンですが、40歳を過ぎて卵巣機能が低下していくに連れて分泌量が減っていきます。

そして更年期に入って閉経を迎えるころには、ほとんど分泌されなくなってしまうのです。

皮下脂肪から内蔵脂肪へと変化

そんなエストロゲンには、内臓脂肪の代謝を促し、蓄えにくくする働きもあります。

男性はりんご型、女性は洋ナシ型と言われる脂肪の付き方をするのも、女性にはエストロゲンの働きがあるからです。

エストロゲンが分泌されているうちは、余った脂肪は皮下脂肪へと変わりますが、皮下脂肪がなくなると今度は内蔵脂肪として蓄えられるように変化していきます。

更年期すぎのお腹ぽっこりは内蔵脂肪のせい

更年期をすぎてお腹がぽっこりするのは、エストロゲンが減るせいでそれまでの皮下脂肪に変わって内蔵脂肪が増えるからです。

内蔵脂肪が増えていくと、男性と同じようにりんご型の体型へと変化してしまいます。 それが急に訪れるお腹ぽっこりの理由です。

本当は怖い内臓脂肪

内蔵脂肪の問題は、体型の変化よりも健康面で悪い影響を及ぼすことです。

生活習慣病の原因とされる内臓脂肪は、蓄積すると悪玉コレステロールを大量に生産して、心筋梗塞、脳梗塞、高脂血症、高血圧などの重大な病気を引き起こすきっかけにもなります。

更年期以降の女性は、男性と同じくらい肥満による健康リスクが増えるのです。

内臓脂肪は落としやすい

皮下脂肪よりも怖い内臓脂肪ですが、落としやすいのは皮下脂肪よりも内蔵脂肪の方です。

内蔵脂肪が落ちれば健康リスクも減りますし、お腹ポッコリも解消されて一石二鳥ですね。

内蔵脂肪を落とすには、有酸素運動が効果的です。

また更年期以降の女性は筋肉量が減り基礎代謝が低下するので、筋トレも同時に行うとより効率的に脂肪を減らすことができるでしょう。

ストレスと睡眠不足に要注意

更年期以降の女性がお腹ぽっこりになりやすいのは、エストロゲンが減少するからだけではありません。

この年代の女性ならではの事情がいろいろと絡まり合って影響しているのです。

睡眠が乱れてグレリンが増える

エストロゲンが急激に減少すると、体がそれについていけずに様々な不調を起こしたり、神経系の調整がうまく行かなくなったりします。

その影響で睡眠のリズムが崩れ睡眠不足に陥ってしまうと、今度は体重調整を行うホルモンも乱れてしまいます。

眠りが足りないと、グレリンというホルモンが増え、反対にレプチンというホルモンが減ってしまいます。

レプチンは食欲を抑える働きのあるホルモンですが、グレリンは食欲を増し、炭水化物や高カロリーのものを食べたくさせます。

つまり睡眠不足だと太りやすくなるというわけです。

ストレスホルモンのコルチゾールが増える

40代、50代の女性というのは、多くの悩みや心配事を抱えやすい年代でもあります。

• 仕事
• 子供の進学や結婚
• 夫婦関係
• 介護
• 老後の不安

など、気がかりなことをあげるとキリがないほどです。

その上に更年期の体調不良が重なるのですから、この時期のストレスは相当なものでしょう。

コルチゾールはストレスや不安感があると分泌量が増えますが、これには過食を促す作用があります。

つい食べすぎてしまうのは、もしかするとコルチゾールのせいかもしれません。

まとめ

中年女性が急激な体型の変化に見舞われるのには、女性特有の理由があることがわかっていただけたと思います。

女性はホルモンによって体調を左右されることも多く、そのために様々な不調を心身に抱えやすいものです。

でもそのおかげで、若いうちは内蔵脂肪がつきにくいという恩恵もあったわけです。

内蔵脂肪が増えていくと、今度は男性と同じ健康リスクも抱えることになります。

更年期を迎える時期になったら内蔵脂肪が蓄積しないように、有酸素運動と筋トレを続けてぽっこりお腹を撃退しましょう。