協議離婚を行う際の協議離婚書の作成や相談は行政書士におまかせ
誰でもあまり経験はしたくないと思いますが、やむを得ず協議離婚せざるを得なくなった場合、協議離婚書の作成が必要になってきます。
しかし素人が協議離婚書を作成すると、不備があれば却って揉める原因となりますので、可能な限り専門家に作成してもらった方がいいでしょう。
書類作成のプロと言えば行政書士ですが、行政書士に協議離婚書の作成や相談は依頼できるのでしょうか。
離婚協議書作成の専門家
書面作成と言えば行政書士というイメージがありますが、他に協議離婚書の専門家がいるかも知れません。
行政書士を検討する前に、協議離婚書を作成できるプロを探してみましょう。
協議離婚書を作成できる職業
協議離婚書を作成できるのは、以下の職業です。
このうち弁護士と司法書士の場合を見ていきましょう。
裁判にも対応できる弁護士
弁護士は法律のオーソリティーであり、基本的に法律のことならほとんどをカバーします。
したがって協議離婚書の作成も問題ありません。
さらに話がこじれたときに代理人を務めることも可能で、仮に裁判になったとしても弁護士なら対応できます。
しかし、弁護士の仕事は法律全般に幅広く対応しているため、書類作成に特化しているわけではありません。
また司法書士や行政書士に比べて、依頼費用は高いのが相場です。
登記移転手続きができる司法書士
司法書士は登記のプロであり、また協議離婚書の作成も可能です。
特に登記移転手続を要する財産があった場合は、協議離婚書の作成を司法書士に依頼すると手間が省けます。
また認定司法書士なら訴額が140万円以下の場合、簡易裁判所で代理人を務めることができます
。 しかし、書類作成は司法書士にとって行政書士ほどの得意分野とは言えず、さらに依頼費用も行政書士よりやや高いというのが一般的でしょう。
ただ、司法書士の中には行政書士を兼務している人もおり、その場合は両方の業務に対応ができます。
行政書士に協議離婚書の作成を依頼した場合
それでは、行政書士に協議離婚書の作成を依頼すればどうなるのでしょうか。
その場合のメリットやデメリットを見ていきましょう。
契約書のプロが作成する協議離婚書
行政書士は書類作成のプロなので、契約書のプロでもあるということです。
協議離婚書も契約書の一種ですから、行政書士にその作成を任せると間違いないでしょう。
弁護士や司法書士も書類作成は可能とはいえ、業務範囲が広いため、行政書士ほど書類作成に特化していません。
協議離婚書を専門化した行政書士
最近では離婚する夫婦が増え、あまり良いデータではありませんが夫婦3組に1組は離婚すると言われています。
それだけに、協議離婚書の作成を専門化した行政書士も多く登場しました。
契約書のプロである行政書士が、さらにその中のプロとして協議離婚書に特化したのですから、レベルの高い協議離婚書が期待できます。
人数が多い行政書士
協議離婚書の作成を依頼したくても、近くに相談できる事務所がなければどうにもなりません。
それでは、2017年度の弁護士と司法書士、そして行政書士の人数を調べてみましょう。
近年は弁護士が急激に増えていますが、それでもやはり行政書士がいちばん多いのです。
司法書士より行政書士が2倍以上も多いというのも、意外な数字かも知れません。
弁護士が増えていると言っても、その数は依頼件数の多い大都市部に集中し、地方では弁護士が足りていないのが現状です。
弁護士が少ない地方なら、協議離婚書の作成でも行政書士が頼りになるでしょう。
依頼費用が安い行政書士
一般的に見て、行政書士の依頼費用は弁護士や司法書士よりも安くなっています。
もちろん、事務所によって料金体系は違うので一概には言えませんが、相場としては行政書士が最も安いでしょう。
離婚となると色々とお金が必要になるので、協議離婚書作成の費用が抑えられるのに越したことはありません。
行政書士には法律が絡む離婚相談はできない
そもそも協議離婚書を依頼するときには離婚相談になるのですが、これに法律が絡んでくると行政書士には相談できないことになっています。
なぜなら法律相談が認められているのは弁護士のみだからで、その意味では司法書士にも法律が絡む離婚相談はできません。
つまり、離婚に関する法律相談が可能なのは弁護士だけということになります。
代理人になることはできない行政書士
協議離婚がスムーズに行われるといいのですが、仮に話がこじれて相手と話ができない状態になっても、行政書士が代理人を務めることはできません。
そうなると、改めて弁護士を代理人として依頼することになり、余計に費用が掛かってしまいます。
それならば、最初から弁護士に依頼しておけば良かったと思うでしょう。
ただ離婚の約9割が協議離婚であり、大抵は話し合いで解決するので、実際にはそこまで揉めることは少ないと言えます。
協議離婚書のまとめ
「立つ鳥跡を濁さず」と言いますが、たとえ離婚することになったとしても、綺麗な形で別れた方がいいのは言うまでもありません。
協議離婚の場合は協議離婚書が重要であり、それに不備があって再び揉めるのなら、作成はやはりプロに任せた方がいいのです。
その際に役に立つのが契約書作成の専門家である行政書士であり、お互いに火種を残したまま別れないためにも、協議離婚書の作成を依頼してはいかがでしょうか。