生活習慣を変えて便秘解消
便秘かどうかは回数では計れず、毎日の排便の様子をしっかりチェックすることが大事です。
例えば毎日排便があってもスッキリしない、いつも固い便が出るという場合も便秘と言えます。
便秘には種類があり、その多くが生活習慣の原因で引き起こされる機能性便秘ですので、便秘かなと思ったらまずは生活習慣を見直してみましょう。
運動不足で腹筋の筋力が低下
腹筋が弱まり腹圧をかけられなくなることで便が出にくくなります。
弛緩性便秘と呼ばれている便秘で、大腸のぜん動運動が十分に行われないために、大腸内に便が留まりやすく硬い便になります。
筋力が低下するのは様々な理由からです。
- 運動不足
- 加齢
- 病気で寝たきりの場合
運動は便秘予防だけでなく、肥満防止やストレス解消など様々な良い働きをもたらしてくれます。
腹筋運動や腹式呼吸などお腹回りの筋力を鍛えることを中心に、運動を習慣付けるようにしましょう。
便意を我慢するのは危険
家を出る時や忙しい時に限って便意が訪れる、そんな時に便意を我慢していると直腸にある神経が鈍くなってしまいます。
直腸の神経が鈍くなると便が直腸まで送り出されているのに、便意を感じなくなってしまうのです。
便が直腸に長くとどまった状態は、水分が吸収され硬くなった便が蓋のようになってしまいます。
刺激性の下剤は使わない
便意を我慢して起こる直腸性便秘の場合、腸の動き自体は問題ありません。
そのため腸のぜん動運動を促す刺激を与えるタイプの下剤は、お腹が痛くなる可能性があるため使用しないようにしましょう。
食後にトイレに行く習慣をつける
便意を感じなくても、食後はトイレに行く生活習慣を身に付けましょう。
特に朝はお通じを感じやすい時間帯ですので、朝食や水分をしっかり摂ってトイレタイムを設けましょう。
栄養のバランスが悪く野菜不足
朝食をとらない、肉や卵ばかりを食べて野菜や果物をあまり食べないといった食生活を送ると便秘になりがちです。
特に野菜に含まれる食物繊維を摂らないと食べ物のカスがたまらず、便の量が少なくなって排せつがしにくくなります。
食物繊維を含む食べ物は不溶性と水溶性を併せ持っており、それぞれの特徴は以下の通りです。
不溶性食物繊維を多く含む食品
不溶性食物繊維は便のかさを増し、腸のぜん動運動を促す働きを持っています。
ただし、便秘が重い人に不溶性食物繊維が多く含まれた食品を摂取すると便が腸内に留まりやすくなってしまうので、水溶性も含まれた食物繊維を摂りましょう。
不溶性食物繊維を多く含む食品は以下です。
- 大豆
- 玄米
- サツマイモ
- ゴボウやニンジン
水溶性食物繊維も含まれている食品
水溶性食物繊維は便を柔らかくする働きがあるため、どちらも含まれた食物繊維を摂ると便秘の方は良いかもしれません。
- 昆布やわかめ
- こんにゃく
- 里芋
- オーツ麦
ストレスによる便秘
ストレスがたまる、緊張が続くと交感神経ばかりが優位になり、副交感神経が担っているぜん動運動の働きが悪くなります。
固い便が出たり、便が出ない便秘になったと思ったら軟便や下痢になったりと、便通異常が起こりやすくなるのです。
腸は第二の脳とも呼ばれている大切な器官なので、ストレスを甘く見ず対処しましょう。
- 深呼吸を意識して行う
- 早起きして朝日を浴びる
- ほどよい運動を心がける
ストレスを解消させるのは、上記のように簡単にできることを続けるだけでも違ってくるでしょう。
好きな趣味に費やす時間を増やすのも良い方法です。
女性ホルモンや体の構造上が原因
便秘は男性よりも女性の方がなりやすいことが分かっています。
理由は女性の体の構造にあり、子宮や卵巣が腸を圧迫するためと言われています。
その他にも男性よりも腹筋が弱いため、大腸が便を送り出す力が弱いので便秘になりやすいのです。
女性ホルモンのひとつである黄体ホルモンは、体に水分や塩分をためる作用があるため以下のような時に便秘になりやすくなります。
- 生理前
- 妊娠初期
上記のようなホルモンや体の構造上の問題だけではありません。
- 無理なダイエット
- 旅行先や恥ずかしさから便意を我慢しやすい
無理なダイエットは食物繊維や脂肪分を減少させ、ぜん動運動に影響を及ぼすことがあります。
また人前での恥ずかしさや、旅行などで環境が変わると便意を感じなくなるなど精神的な理由を引き起こしやすいのも女性の特徴でしょう。
毎日慣れた生活の流れを変えることは大変ですが、便秘の原因である食生活の乱れや運動不足を普段の生活の中で少しずつ改めるようにしていきましょう。
例えば通勤では階段を使う、一駅分歩くなど、また食生活では普段の食事に食物繊維や果物をプラスするなどです。
あまりにストイックに変えようとなるとそれがかえってストレスの原因を作ってしまいます。
ストレスは腸には良くないため、無理のない範囲で便秘に対して意識をすることが大事です。
朝は忙しくても定期的な排便習慣を設け、必要であれば便秘薬の力を借りるのも良い方法です。