生理と更年期障害の関係と治療方法
生理が変化すると少しずつ更年期障害が現れるようになりますが、病院では様々な治療方法を選べるので必要以上に怖がる必要はありません。
治療と聞くと面倒に感じたり、副作用を心配したりする人もいるでしょう。
しかし病院での治療を選択する人は増えており、相談しながら治療方法を決められるため安心感も高いです。
治療により体と心が少しでも楽になれば、毎日の過ごし方も変わってくるのではないでしょうか。
生理の乱れは更年期に突入したサイン
閉経するまでには、生理の期間や量が変化するのが一般的。
卵巣の働きが衰えることで、女性ホルモンのバランスが乱れたり減少したりするからです。
主に以下のような生理の変化が見られるようになります。
- 周期の変化…長くなる・短くなる
- 期間の変化…ダラダラ続く・数日で終わるなど
- 量の変化…多くなる・少なくなる
30代後半から40代前半にかけて、このような変化が見られることが多いです。
その後生理の周期が長く開くことが増え、50代前半に閉経するのが一般的な流れです。
しかし個人差があるため、通常通り生理が来ていたにも関わらず次の月から突然生理が止まり、そのまま閉経することもあります。
閉経前後は様々な心と体の変化が起こる
閉経とは、更年期世代に生理が止まって1年ほど経過した状態のこと。
一般的にその前後を合わせて約10年は、更年期障害と向き合っていくことになります。 主に心や体に次のような変化が出てきます。
- 生理の異常
- ホットフラッシュ、めまいなどの体の症状
- 不眠、うつなどの心の症状
多くの方は生理の異常から順に症状が現れます。
生理の異常が見られるようになったら、更年期症候群の始まりだと考えておくと良いでしょう。
特に閉経する年頃は心や体の様々な症状が重なりやすいので、対策が遅れると毎日が辛く感じる人もいるかもしれません。
病院で主に行われている治療方法を紹介
更年期障害を緩和させるためには、まず生活習慣を整えることが大切。
それでも辛いと感じたら、病院で治療することを考えてみましょう。
代表的な治療方法は、ホルモン補充療法です。 急激に減少した女性ホルモンを補い、症状を緩和させます。
この治療方法は、特に次のような症状を緩和させるのにお勧めです。
- ホットフラッシュ
- 動悸
- 更年期障害による皮膚のトラブルなど
治療は5年を目安に行われるのが一般的です。
飲み薬だけでなく張り薬(パッチ剤)、ゲル状の塗り薬などもあるようです。
どれを選択するかは症状や持病の有無などの情報を考慮しながら、医師と相談して決めることになります。
ただし治療中の人や持病を持っている人の中には、この治療方法を選べない人もいます。
料金は高い?副作用のリスクはないの?
ホルモン補充療法を受けるにあたって心配なのは、料金と副作用のリスクでしょう。
保険が適用されるので、1,000円台から治療を受けることが可能です。
(料金は病院や治療方法によって異なる)
副作用に関しては、次のような副作用が出ることがあります。
- むくみ
- 性器からの出血
- 乳房の張り
これらの症状は、治療を続けていくうちに緩和されるでしょう。
もし副作用が緩和されない場合は、医師に相談をすれば補充するホルモンの量や治療方法を変えてくれます。
エストロゲンだけの補充では、子宮からの出血などの副作用を伴うことが多いため、プロゲステロンホルモン(黄体ホルモン)も補充するのが一般的です。
自分の身体に合う一番使いやすい方法を医者と相談しつつ、納得してきめていくのが大切です。
漢方や向精神薬を使った治療もある
心の症状が辛い人には、漢方や向精神薬を使うこともあります。
漢方を処方する際は、体質や自覚症状などを見た上で医師が使う漢方を決めます。
処方する漢方として考えられるのは、次の3種類の漢方です。
- 当帰芍薬散…イライラやうつ、ホットフラッシュなどを緩和・生理前に胸が張る人向け
- 加味逍遥散…不安感や不眠などを緩和・胃腸が弱い人向け
- 桂枝茯苓丸…不安感や動悸などを緩和・体格の良い人向け
漢方を取り入れていない病院もあるので、あらかじめよく調べておきましょう。
処方箋がなくても購入できる漢方もありますが、その場合は保険が適用されず料金が高額になることがほとんどなので注意しましょう。
また気分の落ち込みが激しい場合は、抗うつ薬や抗不安薬などを処方されることもあります。
生理の周期や経血の量などが変化してくると、閉経を予測できます。
ですから生理不順は、更年期障害の始まりを知らせてくれるバロメーターだと考えておきましょう。
ホットフラッシュや肩こりや五十肩、不眠などが重なりやすい時期もあるため、あまりにも辛いときは我慢せずに病院に相談に行くことをおすすめします。
近年では保険適用で漢方を処方してもらえる病院も増えているので、不安を抱えるより医者と相談しながら、自分が納得できる治療方法を選べるでしょう。