どっち向きで寝ると体にいいのか試してみた。左向き寝で眠りが安定したわけ。寝る時の姿勢プラス点とマイナス点
寝るときの姿勢は仰向けや横向きなど人によって様々です。
習慣になっている寝姿勢が身体に悪影響を及ぼしている場合もあります。
胃が弱い人は消化のため右を下にして寝るのがいいと母から聞かされていましたが、人によってはマイナス点もあるようです。
それぞれの寝姿勢の注意すべき点、自分が取り入れてプラスになるかを実践から学び、より良い睡眠につなげていきたいものです。
健康に深い関わりがある寝姿勢
人生のほぼ3分の1が睡眠の時間です。その大切な睡眠の質に関わるものの一つが意外にも寝姿勢なのです。
手が痺れたような感覚で目が覚める時がありますが、これも寝る時の姿勢が原因です。
寝違えや肩こりや腰痛・頭痛といった症状につながる恐れもあります。
日常で感じる痛みや疲れなど様々な症状が、その寝姿勢を変えることで改善したケースは少なくないのです。
日常生活で作った歪みを改善する
私たちは日常生活では、満員電車で体を歪めたまま立っていたり、スマホを見たり足を組んだり、身体に負担をかけています。
正しい姿勢を維持しにくく、肩や首の筋肉は無意識に緊張状態となっているため、ついには肩こりや腰の痛みや、身体の歪みが生じてしまいます。
ヨガの全身の力を抜ききる死人(しびと)のポーズというのがありますが、筋肉を完全に弛緩することは容易くはなく一番難しいと言われております。
こうした日中の身体の歪みを取る絶好のチャンスこそ、しっかりとよく寝るための寝姿勢なのです。
良質な睡眠を取るため
寝具については気にされている方は多いと思いますが、寝る姿勢を気にかけることにより、睡眠の質が向上し疲労の回復を促し、翌日の体調にも影響を及ぼします。
- 仰向けだと、何だか落ち着かない
- 仰向けしか眠れない
- 抱き枕があるとよく眠れる
- 寝始めに足を曲げないと眠れない
こんなクセがある人は実は身体の歪みが原因かもしれません。
主な寝姿勢を次の4つに分けてそれぞれの良い点と悪い点をみていきましょう。
仰向けで寝る
良い点
- 背骨が良い状態に保たれる
- 胃酸の逆流が起きにくい
- 顔や首の皮膚がたるみにくい
悪い点
- いびきをかきやすくなる
- 気道の狭窄による睡眠時無呼吸症候群のリスクが上がる
身体にかかる圧力が均等になるため、最も理想的といわれているのが仰向けです。
背骨には身体の各器官に信号を送る中枢神経が通っているため、圧迫すると様々な弊害が生じる恐れがあります。
仰向けは背骨の自然な湾曲が保たれる最適な姿勢といえます。
睡眠時無呼吸症候群は寝ている間に呼吸が止まる無呼吸状態が繰り返される病気で、国内の潜在患者数は300万人にのぼるといわれています。
症状を引き起こす喉や気道の狭窄の原因として、肥満によって喉まわりに脂肪が付き過ぎた状態や、舌の付け根である舌根が重力で下がる現象が挙げられます。
これら気道狭窄による睡眠時無呼吸症候群の改善は、舌を回す「舌トレ」で鍛えることにより、舌の位置を上顎に付く状態まで改善することができます。
または、口を大きく開きながら喉に力を入れたまま10秒維持(×5セット)すれば、のどの筋肉を鍛えることができ改善されるようです。
ダイエットなどにより脂肪を減らすことも改善策のひとつですが、改善できない場合は他の姿勢で寝ることも検討したほうがいいでしょう。
左側を下にして寝る
良い点
悪い点
- 肩や腰に負担がかかる
左側を下にする左向きの寝姿勢を取ると、身体の左側に広い範囲で位置するリンパ管から老廃物が効率良く運搬されます。
また心臓や胃、脾臓といった内臓の位置を考えても左向きのほうが負担が軽減されるといわれています。
こうしたメリットから左向きこそベストな寝姿勢であると結論付けている論文もあるほどです。
ただし胃の形状は人によっても異なり、食べ物の消化を考えると鉤状胃や胃下垂、正常胃の人は右を下にする右向きの寝姿勢のほうが良いようです。
食べたものが胃の上部に溜まりやすい瀑状胃の人の場合は、食後にまず左向きに寝て食べ物を胃の下部へ移動させ、次にうつぶせになって最後に右向きになるという特殊な形が推奨されています。
右側を下に寝る
良い点
- 気道の狭窄による睡眠時無呼吸症候群のリスクが下がる
- 胃液や食べ物の流れがスムーズになりやすい
悪い点
- 逆流性食道炎による炎症のリスクが上がる
- リンパの流れが促進されにくい
- 肩や腰に負担がかかる
食べ物の消化を考えるとイレギュラーな瀑状胃の人以外の場合は適している姿勢です。
ただし逆流性食道炎になりやすい人は炎症のリスクが上がるため注意しましょう。
横向きに寝る場合、仰向けに比べると肩や腰にかかる負担は大きくなります。
うつぶせで寝る
良い点
- 気道の狭窄による睡眠時無呼吸症候群のリスクが下がる
悪い点
- 胸部に強い圧力がかかる
- 姿勢を変えられない人には負担が大きい
- 顎関節や歯並びに悪影響を及ぼす恐れがある
うつぶせは圧迫感が大きい寝姿勢のため、基本的にはおすすめできません。
特に自分で寝返りをうつのが難しい乳幼児や高齢者の場合は突然死などを引き起こす恐れもあり、危険です。
ただし睡眠時無呼吸症候群で気道の狭窄がなかなか解決できない人の場合は改善につながる可能性もあります。
寝具も定期的にチェックしよう
どの姿勢で寝る場合も枕や敷布団、ベッドのマットレスなどの寝具の選択も重要です。
姿勢を変えても睡眠の質が改善されない場合、寝具が身体に合っていない可能性も考えられます。
高すぎたり低すぎたりする枕は頸椎に負担をかけますし、マットレスが固すぎたり柔らかすぎたりするのも背骨によくありません。
より良い睡眠のため、寝具の状態も定期的に見直すようにしましょう。
まとめ
万人に適した寝姿勢をひとつに決めることはできないため、それぞれのメリットやデメリットを踏まえて自分に適した姿勢を見つける必要があります。
仰向けは背骨に負担がかかりにくい理想的な寝姿勢ですが、いびきや睡眠時無呼吸症候群が起こりやすいデメリットがあります。
左側を下にする左向きはリンパの流れが促進されやすく心臓にも負担がかかりにくい姿勢ですが、肩や腰に負担がかかる場合があります。
右向きの姿勢は特殊な瀑状胃以外の人には食べ物の消化を進めるうえで適していますが、逆流性食道炎の傾向がある人は要注意です。
外国人の顔になれる?と、うつぶせで寝るってその昔流行りました。 実際に、息子を外人顔にするべくうつ伏せ寝をさせていて、その子の輪郭は実際細長く外人風になりました。しかし現代ではデメリットが大きいため基本的にはおすすめできません。